人が「シェア」する動画を作る
個人で撮影し、編集したものといえど、エンターテイメントはエンターテイメントです。それは「作品」であり、動画投稿サイトに登録する以上、人が鑑賞して楽しむものです。
それらは、クオリティはどうであれ、内容によっては人を感動させることができます。思わず人に伝えたくなるような作品というものは、プロが作ったにしても、個人が作ったにしても、等しく評価されるものです。人は閲覧して感動したことを人に「シェア」するという新しい習慣を身につけました。それがソーシャルメディア時代の人の新しい「Webでの行動」というわけです。
「ソーシャル」というのは「社会」のことです。ソーシャルメディアというのはそのような社会をある程度反映したようなWebサービスのことです。「社会」の本質は「コミュニケーション」にありますが、それは「個人」として、揺るぎない自分自身として参画することが大前提となります。本来インターネットでのコミュニケーションは「匿名」が基本だったのですが、そこから一歩前進し、「揺るぎない自分自身として」コミュニケーションを行うことで、「リアルの延長としてのWeb」という、それまでの匿名性とはまったく異なる側面を持ったものです。
ソーシャルメディアの代表格として「Facebook」が挙げられます。Facebookは匿名性とは打って変わって、そこに存在する「自分」、そして現実に知り合いである誰かと、「実名」で繋がり合うというサービスです。実名でユーザーを検索することができたり、果ては通っていた学校、勤めている会社、配偶者などの情報も登録することができたりするものです。一時期日本国内において大流行したmixiは実名である必要は特になく、匿名性というものはある程度保たれたままではありましたが、Facebookは違います。存在しない名前、明らかに「ハンドルネーム」と思われる名前であれば、利用に際して警告が発せられることもあるようです。
そのようなソーシャルネットワークは「SNS」と呼ばれ、自分の感じたことや経験したこと、思ったことなどを繋がっている人とシェアすることができるサービスです。SNSは言ってしまえばそれだけなのですが、電話やメールとは違い、同時に複数人とコミュニケーションができる点、必要なければアクセスしなければ良い点などが、それまでのコミュニケーションツールとは違う点です。
それらのソーシャルメディアがもたらすものは、「口コミ」です。人が人に「良い」と薦めるということが至極行いやすいということです。それがごく自然に行われているため、そのようなことを利用した企業プロモーションも盛んに行われています。
個人が投稿した動画であっても、そのように人にシェアしてもらえるような価値をはらんでいるのであれば、SNSによって「拡散」していくことが期待できます。シェアされるためのポイントとしては、「人が予想しているものを上回る」ということです。人が「こうだろう」と考えているものの「上を行く」ということで、人がこぞって人に紹介したくなる作品になるのです。