数多くある動画投稿サービス
ムービーは古くから「活動写真」や「連続写真」のような呼ばれ方をしてきました。近年ではそれにタイムラインが同期された「音声」が紐付いたものであるという解釈が一般的です。
実際、動画を構成しているデータも同じようなもので、写真の連続した状態に紐づく音声データで、その動画データを構成しているものです。10年前であれば、そのような「画像」のデータですらもインターネット上で閲覧するのに時間がかかった時代です。高精細なJPEG画像を「ブラウザ」に表示させるために何分も待ったという記憶がある方は、インターネット黎明期を知る人といえます。
インターネットは元々「ダイヤルアップ」から始まり、電話線を用いて通信を行うというところから普及しました。それは「電話をかけている」状態と同じでもあったため、インターネットを利用するためには通話料が一定になる「テレホーダイ」という時間帯を狙うことが普通でした。それは「夜」であり、その時間帯になるとさまざまな人がインターネットに接続し、登場したての掲示板群や「CHAT」と言われる文字でのコミュニケーションサービスは活発に機能していたのです。現在のようなスマホで気軽にやりとりをするというようなものではなく、パソコンを持っている人だけがアクセス可能な世界がそこにはあったのです。
その頃は、「動画」などというものはとてもではありませんが誰も閲覧しようとはしませんでした。動画の容量もさることながら、それらが再生できる性能を持った端末も限定的でしたし、何よりもそれらの動画を視聴するためのプラットフォームがありませんでした。そうです。インターネット上で動画を閲覧するために必要なものは高速インターネット通信の技術でも、性能の良い端末でもなかったのです。
「動画サイト」が必要だったのです。
インターネット上にそのような動画サイトが登場したのはインターネット回線が高速化しつつあった頃でした。インターネットが一般的に普及してから数年後のハナシでした。それらはクリックして画面を進めていけばカンタンにその動画が再生できるというサービスで、それらは個人の「投稿」によって支えられているものでした。それは今も変わらず、プロもアマチュアも関係なく、ユーザーが投稿した動画をユーザーが閲覧するとう状態が続けられています。
何かの「サービス」が発達し、一般化するということは、「誰でも」それらを参照したり用いたりすることができるという状態に至ることでもあります。特別な知識などなくても動画が参照可能な現代では、それらはほぼ達成されたといっても良いでしょう。そのようなサイトは現在では星の数ほどあり、そのどれもが見る人と投稿する人を分け隔てることなく、巨大なプラットフォームとして機能しているのです。動画を投稿して誰かを楽しませるということは、そのような動画を通じたコミュニケーションの中に身を投じるということでもあるのです。