どこにいても動画を視聴できる時代に
かつて「インターネット」というものは自宅のPCでなければ利用することができなかったものです。それこそ10年前には、インターネットというものは「PCを使う」ということの代名詞だったのです。
時代が流れ、携帯電話でのインターネット接続が当たり前のようになると、「モバイル」という概念が定着しました。「ノートパソコン」は持ち運びが容易になるように軽量化され、さらにはPDAという小型のコンピュータ端末も一部の人の間で定着しました。さらには無線LANの技術も急速に普及し、人は「ケーブル接続」のインターネットから解放されたのです。そして極めつけは「スマートフォン」の登場です。スマートフォンはパソコンとは異なるOSを持った、高演算力を備えた情報端末です。一般的に「画面をタッチで操作できればスマートフォン」という認識もあるのですが、それだけではありません。それらタッチ操作をスムーズにするためのスペックが必要なのです。
それまで存在していた「ガラケー」と言われる一般的な携帯電話と一線を画しているのは、そのOSです。ガラケーを制御しているOSは端末によって独自のものが備えられている場合もあり、「共通規格」とはなっていなかったのです。Webブラウザもマチマチで、ガラケー用に設定されたWebサイトでさえも表示が各端末によって異なるという始末でした。もちろん、インターネット上の動画を閲覧することも各端末によってことなる操作が必要でした。そのようなガラケーから、共通規格としてのOSを備えたスマートフォンに移行したことで、モバイルとPCでのインターネット閲覧の「質」に差がなくなったのです。
同時にモバイルインターネットの回線速度も発達し、現在ではモバイルネットワークであってもブロードバンドとさほど変わらないほど高速化されました。動画は容量が大きいコンテンツですが、それらをものともしないインフラが構築されつつあるのです。
そのような背景もあり、現在では人は「どのような場所でも「動画を閲覧する」ということが可能になっています。通勤時の電車の中、仕事中のちょっとした休憩時、その他時間が空いたときに、スマートフォンを通じて動画を閲覧する頻度も高くなっているのです。
つまり、作成した動画はパソコンだけで再生されるものではないということです。作成した動画はさまざまな端末で閲覧されるということです。そのようなことを意識すれば、音声はモノラルで再生されることもあるということですし、映像は小さな画面で表示されることもあるということです。そのようなことを加味すれば、少し動画の編集方法も変わってきそうです。
例えば動画にキャプションとして文字を入れ込む場合、それが細かすぎると間違いなくスマートフォンでは読めないでしょう。そのようなことに気が付き、配慮することで閲覧環境を問わない動画を作ることができます。それはそのまま動画のクオリティとして反映されるものなのです。